気配

【2014・9/3-7/宮崎県立美術館】

 

 

写真を撮り始めて40年が経つ。写真雑誌を読みあさって、ありとあらゆる写真を真似た中学時代。ピント、露出、構図。セオリーどおりの写真を撮るが満足できない。職業として生計を立てると、撮影は楽しかったが、出来上がった自分の写真を好きにはなれなかった。帰郷した頃、仕事で撮った写真を見た息子が「お父さんの写真ってつまんないね。僕は西米良で撮った写真の方が好きだよ」と言った。切り花が溢れんばかりに生けられた、無駄のないきれいな写真だった。

 

ある時、余計なものだと決めつけていた人工物が、自然と共生している景色に惹かれた。人の暮らしや気配を感じて、自分の写真を好きだと思えた。誰でも出くわす日常の風景だが、写真として捉える重要な条件は、撮影者の心の在り方だ。

 

あれから13年、大学生になった息子は父の写真を観て何と言うだろうか。 (展覧会メッセージより)

 

 

 

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